うつ病からの復職で大切なこと?

2021年12月6日(月)

うつ病になると仕事や学業が続けられず、自宅療養になることがあります。うつ病の原因が職場、学校などにあるなら、うつ病からの回復に自宅療養は有効な方法です。

症状が回復すると復職に向かいますが、うつ病は再発の多い病気です。復職後再発しないためにはどのような点に注意したら良いのでしょうか?

うつ病からの復職で最も大切なことは、再発を防ぐために復職を急がないことです。自宅で生活しているのと職場で仕事をしているのとでは状況が全く異なります。

自宅での安定した状態が職場にそのまま平行移動できるとは限りません。具合が良さそうにみえても、回復が不十分だと、ちょっと少々無理をしただけですぐに調子が悪くなります。

職場復帰できる程度に回復しているかどうかをチェックする方法はあるのでしょうか?そのためには自宅療養中に少し負荷をかけてみることです。

調子が良くなってきたら、本を読んでみる。たまっていた郵便物に目を通してみる。久しぶりに部屋の掃除をしてみる。買い物に行ってみる。このような些細な行動でも、想像以上に疲れることがあります。

もし想像以上に疲れるとしたら、うつ病の症状の一つである易疲労感(疲れやすい)はまだ治っていません。自宅で負荷をかけるリハビリが必要です。

うつ病のリハビリでは、負荷をかけることは必要ですが、少々無理をする位でやめておきましょう。やり過ぎると症状が逆戻りしてしまうからです。リハビリに自己流は禁物です。主治医と相談しながらちょうどいい負荷をかけるようにしましょう。

このようにうつ病からの復職は、症状が落ち着いているだけではなく、職場で負荷がかかっても安定した勤務ができるかどうかという視点で考えることが大切です。

院長 高橋道宏

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