2021年12月20日(月)
抗不安薬は長い間不安障害の治療に使われてきました。服薬すると30-40分で効き始め、それまでの不安が嘘のように消えていきます。
効果がハッキリしている反面、依存するとやめられなくなります。抗不安薬はやめることができるのでしょうか?
不安は動物的本能的に根ざしています。動物は天敵に狙われて不安になると、身をすくめ、動けなくなり、体をふるわせます。
このように不安は動物的本能であるため、ひどい不安に襲われると、冷静に対処できません。このような時は抗不安薬の力を借りざるを得ません。
依存症があるため、抗不安薬はあくまで不安になった時だけ臨時に服用すべきです。予防的に毎日連用すべきではありません。
飲酒、喫煙程の依存性はありませんが、抗不安薬を飲み続けるとやめられなくなります。また、抗不安薬を飲み続けても、不安障害が完治するわけではありません。
不安の正体を理解し適切な行動が取れるようにする。不安があっても動じず、日常生活必要な行動を続けることで、不安に対する適応力が高まります。
不安に対する適応力が高まると、不安をやり過ごすことができるようになります。
このような状態になったら、少しずつ抗不安薬を減らしていきましょう。
たとえば1日3回服用しているのなら、2回にしてみるのです。急激な断薬は禁物です。主治医と相談しつつ、不安への対処力をつけ、徐々に減量していきましょう。
院長 高橋道宏