2022年2月28日(月)
うつ病になると休養とお薬による治療が始まります。
無理をしない。徐々に治るのを待つ。頑張りなさいと言ってはいけない。これがうつ病治療の基本です。
しかし、これだけで本当にうつ病が治るのでしょうか?
うつ病になると会社や学校を休み自宅で療養する方もおられます。
休養と薬だけでは、ある程度良くなっても、些細なストレスで体調が崩れやすく、復職、復学後に再発する方が多くおられます。
では、休養と薬だけで治りきらないうつ病にはどのように対処したら良いのでしょうか?
うつ病が慢性化し治りきらない場合、安定した社会復帰をするためには、ある程度リハビリが必要になります。
リハビリとは、症状が多少辛くても、頑張ってその状態を乗り越えようとする行動に他なりません。
例えば、朝辛くて起きられないとしても、無理をして起きるようにするのです。
これは無理をしないといううつ病当初の治療方針とは異なります。
この理由は明快です。治療当初は回復が不十分ですから無理をすることができません。
しかし一定の時間が経過すると、症状は少しずつ回復していきます。
ここにリハビリを行うことができる余地が生まれるのです。
ですから、リハビリは症状が軽度になってから始めます。
また、急に大きな目標を立ててはいけません。
ちょっと背伸びをすればできる位の目標を立て、少しずつ症状を回復させていくのです。
症状が軽度とは、まだだるさやおっくうでも頑張って動けば良くなる状態です。
少し頑張って動けば良くなるくらいになったら、リハビリを積極的に進めていきましょう。
このリハビリを適切に行うことで、うつ病慢性期に治りにくい体のだるさ、疲れやすい身体が改善され、社会復帰ができるようになります。
また、リハビリをしっかり行うことで、復職、復学後の再発を防ぐことができます。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏