ADHDの症状改善に限界を感じた時

2022年2月21日(月)

ADHD(注意欠如多動性障害)の治療では、数々の効果的な治療薬が開発され、多くの症状が改善するようになりました。

薬で症状が軽くなり、日常生活の困難を克服するための生活習慣改善がしやすくなりました。

薬に助けられながら生活習慣を改善する中で、多くの問題は解決に向かいます。

しかし、このような治療にもかかわらず、問題が解決しない場合もあります。薬は万能ではありません。

ある方は100%近く症状がなくなりますが、別の方では30%程度症状が残存してしまいます。生活習慣の改善もすぐに実を結びません。

症状が残っている、それが仕事や勉強に大きな影響を与えてしまう場合、どうしたら良いのでしょうか?

ADHDの治療では、薬に助けられながら生活習慣を変える努力をすることが大切ですが、それだけで解決しない問題は多々あります。

そのような時、自分の限界を認め、周囲の人に助けていただくことが大切です。何でも自分一人で解決できるわけではないのです。

自分の限界を認め、助けを求めることは決して恥ずかしいことではありません。

たとえば、聞いたことを忘れてしまいやすい場合、「口頭ではなく、メモやメールなどの「文書」でひとつずつ伝えてもらうようにするのです。

どんな人にも限界があります。その限界を認め、それを周囲の人に助けていただく人は、日常生活、仕事がうまくいきます。

ADHD の方は、自分の限界がADHD症状に起因している点が他の人と違うだけです。

何でも自分でできるオールマイティーな人より、自分の限界を認め、助けを求める謙虚な人の方が魅力的ですらあります。

ADHD症状の改善に限界を感じたら、素直に周囲の人に助けていただきましょう。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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