2022年9月26日(月)
めまい、動悸、息苦しさ、耳鳴りなどの症状で内科や耳鼻科を受診しても、特に異常はないと言われることがあります。
検査で異常がないと言われても納得できません。精神的な原因を疑われ、心療内科、精神科の受診を勧められます。
これらの症状は自律神経の乱れによるもので、心臓、肺、耳などの臓器が異常を起こしているわけではありません。
このような症状は、自律神経の乱れによるもののため、過度に心配しないようにしましょう。
症状を取り除こうとして焦ってはいけません。心配することで、自律神経が更に乱れ、症状が悪化する悪循環に陥るからです。
自律神経の乱れに対する、特効薬はありません。規則正しい日常生活を送り、過度なストレスを避けることで自律神経のバランスは自然に回復していきます。
自律神経は生命維持の根本をコントロールしているため、ある程度のバランスの乱れは自然回復する性質があるからです。
つまり、規則正しい睡眠、運動、バランスのとれた食生活などに注意し健康な生活を送ることで、自律神経のバランスを回復することができるのです。
自律神経のバランスが元通りになれば、症状は自然になくなっていきます。
このようなアプローチは、特に目新しいものではありません。1919年に我が国で神経症の治療法を確立した森田療法では、健康な生活を送ると、心身ともに健康になると教えています。
健康になりたければ、まず健康な生活を送るという型から先に入るのです。
約100年前の叡智は自律神経症状を始め、多くの生活習慣病を乗り越えるために、今も役立っているのです。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏