2022年12月5日(月)
心配事が重なると不安神経症に発展します。不安神経症は神経症性格(心配性)の方がストレスにさらされると発症すると言われています。
心配事は誰にでもありますが、どのようにして不安神経症が発症するのでしょうか?
不安神経症が発症する原因は、不安について繰り返し考えることにあります。
神経質性格の方は、不安を感じると同じことを繰り返し考え、気分の転換が難しいという特徴があります。
不安について考えると、不安自体が実体のないものであるため、さらに不安が大きくなっていきます。
ある程度不安が大きくなると自分自身の気持ちをコントロールできなくなります。このようにして不安神経症が発症するのです。
これに対して不安神経症になりにくい方は、不安についていつまで考えても仕方ない。ひとまず棚上げにしておこう。今はやらなければならないことを一つ一つやっていこう。と考えます。
また、人に相談する、不安が解決するまで時期を待つなど、解決を焦らず、不安を考え続けないようにしています。
このため不安はあっても、不安神経症になりにくいのです。
ですから不安神経症を治すためには、神経質性格に基づいて同じことを繰り返し考える、考え方の癖を改める必要があります。
不安神経症になりにくい人のように、同じことを繰り返し考えるのをやめるようにするのです。
目の前のことに集中すると心の関心が目の前のことに向かい、同じことを繰り返し考えなくなります。
このように考え方を癖を変えることで不安神経症は改善に向かいます。不安なことを考え続けている限り、不安神経症は良くなりません。
抗不安薬を繰り返し飲んでも、一時的に不安は解消しますが、不安神経症が根本的に治ることはありません。
このように不安について考え続けない、不安を寄せつけないマインドをつくることが不安神経症を改善に導くのです。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏