うつ病のリハビリはどのように行うのか?

2022年12月19日(月)

うつ病は休養とお薬により、2-3ヵ月で症状の70-80%は回復します。
精神症状はほとんど良くなり、気分の落ち込みはあまり見られなくなります。

しかし、まだ身体のだるさ、疲れやすさなどの身体症状は改善していません。
特に午前中は身体がだるく、ちょっと動いただけで疲れてしまい、起きても二度寝してしまいます。

このような状況は、休養とお薬たけで良くなるのでしょうか?

休養とお薬だけでは不十分で、リハビリが必要です。うつ病のリハビリは身体のリハビリと同様に、多少大変でも少しずつ身体を動かすようにします。
だるくて何もやりたくなくても、朝は同じ時間に起きるようにします。
30分程度でも良いから、何か体を動かすようにしましょう。散歩、お掃除、部屋の片付けなどがおすすめです。

そのような、ちょっとした運動、軽作業などを行うと、思っていた以上に疲れます。
これはうつ病の症状によるものですから、決して無理をしてはいけません。ある程度疲れてきたら、無理せず休むようにしましょう。
最初は30分しか動けなくても、動いてあるうちにもっと動けるようになります。十分余裕ができたら、動く時間を60分くらいに増やします。

このようにうつ病のリハビリはゆっくりと進めていきましょう。健康な人の感覚で判断し、焦ってはいけません。
毎日横になってる時間が長い人は、何か予定を作って行動しましょう。
美容院、病院などの予約は午前中にとるようにし、無理にでも外出しましょう。

このようなことは、急に毎日やってもうまくいきません。
当初は週に1回でもできれば良いという考えて、リハビリを始めましょう。それからだんだんその頻度を増やしていくのです。

うつ病になる方は勤勉な方が多く、症状が緩和されるとすぐに職場復帰したいと焦ります。
しかし、不十分な回復のままでの社会復帰は再発の危険性が高く、十分な余力ができるまでリハビリを続けることが大切です。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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