ADHDの診断上考慮すべきこと

2023年3月6日(月)

最近は注意欠如多動性障害(ADHD)を疑い受診する患者さんが増えています。

自己診断が正しい場合もありますが、うつ病など他の精神疾患によりADHD様の症状がみられている場合もあります。

ADHDとうつ病の違いはどこにあるのでしょうか?

たとえば、ADHDの方は片付けが苦手です。これは頭の中で物事がうまく整理できないことに原因があります。

一方、うつ病になると片付けができなくなることがあります。まるでADHD症状のようです。原因はうつ病による意欲、集中力の低下です。

うつ病の方はうつ病になる前は片付けが普通にできています。これがADHDとの違いです。

ADHD は発達障害に分類され、幼少期から症状があります。子供の頃から整理整頓が苦手です。

片付けが苦手な原因は、脳内(前頭前野)の血流の低下に原因があります。

前頭前野の血流が低下すると、物事を頭の中で整理し、段取り良く行動したり、計画的行動ができなくなります。

ADHD の方は幼少期からこのような特性があります。

一方、ストレスがかかると脳血流が低下します。特に前頭前野の血流が低下すると、片付けができなくなり、段取りが悪くなります。計画的な行動も難しくなります。

しかし、うつ病が治り脳血流が正常化すると、再び片付けができるようになります。計画的に行動することもできます。

ADHD症状は幼少期からあります。うつ症状はうつ病が発症以後の症状で、一時的なものです。これがADHDとうつ病の大きな違いです。

ADHD 方はうつ病になりやすく、この二つの病気は併発することもあります。このような場合、まずうつの治療を優先するようにしましょう。

うつ病が治った後の方がADHDの症状をより的確に評価することができるからです。

このようにADHDの診断は、うつ病による一時的な症状である可能性も考慮し、慎重に行う必要があります。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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