抗不安薬と依存

2023年 3月13日(月)

抗不安薬、睡眠薬などを飲み続けていると、徐々に薬の効きが悪くなることがあります。

より多くのストレスを抱え病状が悪化すれば、薬の効きが悪くなります。ところが、特に病状が悪化しなくても、薬の効きが悪くなることがあります。

これは脳が薬の刺激に対して慣れてしまったことにより起こります。

このようなことを避けるためには、どのようにしたら良いのでしょうか?

抗不安薬はベンゾジアゼピン系薬剤に分類されます。ベンゾジアゼピン系薬剤は長く服用すると慣れが生じるため、効きが悪くなります。

このため、抗不安薬の長期連用は避け、時々休薬すると良いのです。毎日飲んでいると薬が効きが悪くなり、もっと多く薬が必要になります。この結果薬から離れられなくなります。これが抗不安薬の依存性です。

このようなことを避けるために、薬が不要な日はあえて服薬しないようにするのです。

症状には波があり、抗不安薬は必ずしも毎日必要とは限りません。不要な日まで何となく服薬していると、薬の効きが悪くなるのです。

薬の効きが悪いからと言って、2種類以上の抗不安薬、睡眠薬を服用するのはできるだけ避けるべきです。

2種類以上の抗不安薬を服用すると、より依存が生じやすいことが知られています。

抗不安薬には即効性があり、効果も高いため、パニック発作など自分でどうすることもできない状況では極めて有用です。

漫然と服薬するのはやめ、必要な時に、必要なだけ過不足なく服薬するようにして、薬依存にならないよう注意しましょう。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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