薬の副作用を疑ったときは?

2023年3月20日(月)

うつ病や不安障害では、だるさ、めまい、ふらつき、耳鳴りなどの身体症状がしばしばみられます。

不安と緊張が強くなると、自律神経が乱れることに原因があります。

うつ病や不安障害では、薬による治療が行われますが、こうした症状を薬の副作用と誤解する場合が多くあります。

いろいろな薬を飲んでもすぐに副作用が出てしまい、どのお薬も体に合わないこともあります。

うつ病でも不安障害でも、不安が強い方は必要以上に薬に依存しますが、一方で薬の副作用に過敏な傾向があります。

めまい、耳鳴りなどの症状が起きた時、薬のせいではないかと強く疑うのです。しかし、薬のせいではなく、その方の不定愁訴(自律神経症状)であることもあります。

薬の副作用であれば、薬を変更することが必要となりますが、副作用ではないのに薬を変更してしまえば、本来は効く薬の治療機会を逸してしまうことになります。

こうした症状が薬の副作用なのか、自律神経症状によるものなのか冷静な判断が求められます。

患者さんが手にする薬の説明書には多くの副作用が書かれていますが、発生頻度が示されていません。発生頻度の高いものと低いものとが同等に記載されています。

このため、発生頻度が1%にも満たない症状が自分自身に高い確率で起きているのではないかと強く疑い、多くの誤解が生じています。

薬の副作用を疑った時は、一人で悩まず、主治医に相談するようにしましょう。

症状が副作用であれば薬は中止になります。そうでなければその症状とどう向き合うべきか、どうしたらなくなるのか?主治医と話し合いましょう。

薬に依存するのも、その副作用に過敏になるのも適切な治療態度ではありません。

薬と上手にに付き合い治療効果を最大化していきましょう。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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