2023年4月17日(月)
うつ病などメンタルヘルスの問題を抱えると、こころは不安定になり、体の調子も悪くなります。
気分は重苦しく、ささいなことで不安になります。頭痛、めまい、ふらつき、倦怠感、発汗などの身体症状もみられるようになります。
うつ病では、ストレスなどの外的要因で脳内のセロトニン神経の働きが低下し、精神症状の原因となります。
また、自律神経のバランスも乱れ、さまざまな身体症状が引き起こされます。
このため、脳内でセロトニンの上昇を引き起こす抗うつ薬(SSRI)を服用すること、ストレスの原因についての精神療法(カウンセリング)などが症状の改善をもたらします。
このような治療で、多くの方は改善に向かいますが、症状の改善が遅れている方も少なくありません。
スタンダードな治療で改善しない方で注意しなくてはならないのは、生活リズムです。
特に、うつ病では朝の調子が悪く、午後から改善する日内変動が起きやすいため、生活リズムは乱れがちです。
夜型の生活で起床時間は遅く、朝食は抜いてしまう。午前中はボーッとして過ごしている。このような生活では、症状の回復は遅れます。
特に中高校生のうつ病では、ネットの影響などで、極端な夜型となっている方が多く見受けられます。
規則正しい生活など、健康な生活をすると、こころも体も健康になります。健康になったから、健康な生活をするのではなく、健康な生活から健康になるのです。
健康な生活は、うつ病回復のための土台です。健康な生活という土台なしに、いくら薬を飲み、カウンセリングを受けても、その良い効果の多くは打ち消されてしまいます。
健康な生活を心がけることは、うつ病回復のためのスタートラインなのです。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏