2023年5月22日(月)
うつ病の治療は、抗うつ薬の服薬と休養が基本です。休養は薬を飲むのと同じくらいの治療効果があります。
うつ病の方から、どのように休養したら良いのでしょうか?と質問されます。
休養とは心身を休めることですが、いつまでも何もしないことなのでしょうか?
うつ病の治療には、治療当初の急性期と回復期があります。急性期は何もしなくて良いのですが、回復期にはどのように休養したら良いのでしょうか?
治療当初は休養するだけで良いのですが、回復が始まると毎日寝ているほど調子は悪くありません。ところが少々動くとすぐに体が疲れてしまいます。
何もしないのは苦痛ですが、体を少々動かすとすぐに休みたくなります。どう休養しどう動いたら良いのかわからなくなってしまいます。
うつ病の方はもともと勤勉な方が多く、休むことが苦手です。休まなくてはいけないと思っても、ついつい無理をしてしまいます。
このため回復期には回復度を上回る行動により、疲弊してしまいます。このような行動を繰り返すと、治療はまた振り出しに戻り、うつ病は完治することがありません。
うつ病の回復期には、回復度に応じた行動が必要です。
回復期は毎日寝てばかりいても、症状は回復しません。一方、回復度を上回る行動をしても、つぶれてしまいます。
回復期には回復度に応じた活動が必要なのです。回復度に応じた行動はちょうど良いリハビリになり、うつ病からの回復を早めてくれます。
主治医と相談しながら、回復度に応じた行動をし、休養と活動のバランスをとるようにしましょう。
このバランスがうまくとれると、うつ病の回復はより確かなものとなります。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏