うつ病からの回復に必要な価値観、行動様式とは?

2023年6月19日(月)

うつ病になると、気分の落ち込みだけでなく、ささいなことがおっくうになります。顔を洗う、服を着替える、入浴するなどいつもやっている日常行動が面倒になります。

どうして些細なことがおっくうになるのでしょうか?この原因は、脳内の活動エネルギー減少にあります。

うつ病では、脳内セロトニン機能の低下により活動エネルギーが減少しています。

エネルギーがないから行動できない、自動車で言えば、ガソリン、バッテリーが枯渇している状態です。無理に動こうとしても動けないのはこのためです。

動けないのに無理をすると、枯渇しているエネルギーを必死で使うことになります。ますます心身に負担がかかり、症状は悪化します。

また、無理をしても行動できない自分が不甲斐なく感じ、自分を責めるようになっていきます。

うつ病になる方はもともと責任感が強くいつも通りに行動したいという強い欲求があります。

病気になっても、これまで通り行動したい気持ちが強く、これが無理をしてしまう原因です。

うつ病では、決して無理をしてはいけません。頑張って治る病気なら無理をすれば良いのですが、無理をすれば、病気が悪化してしまうのです。

規則正しい生活、抗うつ薬の服薬、休養で症状は回復していきます。

回復したら、回復度に応じて行動すれば良いのです。無理をせず、回復を待つことが大切です。

過度な責任感とどこまでも無理をしてしまう行動様式と決別し、自分を大切にする価値観、無理をし過ぎない行動様式をを確立するようにしましょう。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

アーカイブ

PAGE TOP