うつ病と日内変動

2023年6月12日(月)

うつ病になると、朝は気分がすぐれず、体はだるくなります。目覚めても、なかなかベットから出ることができません。動きたくても、体が動かないのです。

ところが昼頃からは気分が良くなり、午後はわりと動けます。寝る前になると気分はとても良く、何かしてみたくなります。

このように午前と午後では気分も体調も全く異なります。これをうつ病の日内変動と言います。

日内変動のほとんどは午前のうつ気分、倦怠感ですが、まれに午後の方が調子が悪い方もおられます。

日内変動は判で押したように毎日続きます。これはうつ病により体内のバイオリズムが異常となったために起こります。

日内変動はうつ病でみられる特徴的な身体症状です。日内変動により、朝起きられないのは、うつ病の方の甘えではなく、うつ病の症状です。

朝起きられないからと言って自責の念に駆られる必要はありません。

日内変動の結果、朝は寝ている。夜は遅くまで起きているという昼夜逆転の生活に陥ります。

このような生活リズムの乱れはうつ病の回復を大きく妨げます。

うつ病になると、日内変動の結果生活リズムが夜型に傾きます。

うつ病の治療が進み症状が改善すると、日内変動も少なくなります。日内変動が少なくなったら、自分でも生活リズムを立て直す努力をしましょう。

うつ病を早期に改善するためには、夜型の生活リズムを少しでも朝方に近づけることです。

朝1時間早く起きるだけで、うつ病は確実に早く治ります。そのためには、ネットなどによる夜更かしはさけ、0:00までには寝るようにしましょう。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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