2023年8月14日(月)
現代社会において、多くの人々が不安障害に苦しんでいます。不安障害はこころの病気のうちでも頻度の高いもので、人口の10%を超えるとも言われています。
不安障害は、日常生活が不安に支配される状態を指し、不安を逃れようとするあまり、かえって不安が強くなります。しかし、不安障害を克服するためには、不安から逃れようとせず、日常生活をいつも通りのペースで保つことが大切です。
不安障害の治療において重要なのは、不安が現実ではなく、自分の心の中で膨らませたものであることを理解することです。
先々のことを考え過ぎて過度な不安を抱くことがありますが、それは思考の中でつくり上げられた観念に過ぎません。この事実を受け入れることで、不安の影響を受けずに、前に進む一歩を踏み出すことができるのです。
不安にとらわれずに生活するためには、今取り組むべき課題に集中することが大切です。不安が心を乱すと、現在の課題や目標に集中することが難しくなります。しかし、不安に振り回されるのではなく、今自分が取り組むべきことを考えましょう。
不安が強まる中で、目の前の課題に取り組むことは容易なことではありませんが、目の前の課題に取り組む、その一歩を踏み出す勇気を持ちましょう。不安があっても、その不安に打ち勝ち、現在の課題に専念することで、内面は安定し、回復への一歩を踏み出すことができるのです。
そして最も重要なことは、このような行動を続けることです。今日このような行動ができたとしても、明日続けなければ、また不安が戻ってきます。
このような行動を続けることで不安障害からの回復が確かなものとなるのです。自分に向き合い、勇気を出して、不安に振り回されない行動様式を確立しましょう。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏