子どものうつ病:見逃されがちなサインと対策

2024年5月27日(月)

子どものうつ病の増加と対策の必要性
近年、子どものうつ病が増加しており、不登校の原因ともなっているため、その対策が急務となっています。うつ病と聞くと、多くの人は成人に起こるうつ病を思い浮かべるかもしれませんが、実際には子どもにも発症します。

子どものうつ病は「しんどい」「つらい」といった本人の訴えが少なく、見逃されやすいです。このため、周囲の大人がその兆候に気づくことが必要です。

子どものうつ病の特徴と症状
子どものうつ病には大人のうつ病とは異なる特徴があり、対処法も異なります。まず、子どもは自分の感情を言葉で表現するのが難しいため、うつ病は身体的症状として現れることが多くあります。

例えば、頭痛や腹痛、倦怠感などの症状が見られます。これらは一見、身体的な病気のように見えますが、実際には精神的な問題が原因であることが多いのです。

また、子どもの行動の変化も重要なサインです。普段は活発で遊び好きな子どもが急に無気力になり、以前は楽しんでいた活動に興味を示さなくなります。学校の成績が急に下がったり、友達と遊ぶことを避けるようになったりするなどの行動の変化が認められます。

感情の変動と生活リズムの乱れ
さらに、子どものうつ病では感情の変動や生活リズムの乱れが見られます。過度なイライラや怒り、不安感などが頻繁に現れ、一時的な気分の変化とは異なり、長期間にわたって続くことが多いです。

夜遅くまで起きていることが多くなり、生活リズムの乱れが不登校の原因となります。学校に行かなくなると昼夜逆転の生活となってしまいます。このような感情の変動や生活リズムの乱れも、子どものうつ病の重要なサインです。

家族の役割と適切な対応の重要性
子どもは家庭環境の影響を大きく受けるため、大人と比べて治療における家族の役割が大きいと言えます。診察には保護者も同行し、親子でうつ病に対して共通の理解を持つことが大切です。子どものうつ病においては、親子のうつ病に対する疾患教育(うつ病の原因、症状などについて共に学ぶ)が重要です。

このように、子どものうつ病は大人のうつ病と比べて、現れ方や対処法に違いがあります。身体症状や行動の変化に注目し、保護者と子どもが一体となって治療を進めていくことで、効果的な治療が可能となります。

子どものうつ病に適したアプローチを用いることで、将来への影響を最小限に抑えることができるのです。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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