うつ病と社会復帰:再発を防ぐためのステップ

2024年6月17日(月)

近年、うつ病による休職者が増加しており、これは個人だけでなく企業全体にも大きな影響を与えています。社員が長期間休職すると、他の社員に業務負担がかかり、職場の効率が低下するためです。

うつ病は、ストレスの多い現代社会でよくみられる精神疾患であり、適切な治療と休養が重要です。

自宅療養では、十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動が回復に役立ちます。また、日々の仕事から解放され、リラクゼーションの時間を持つことも心の安定に寄与します。

しかし、症状が安定したからといってすぐに復職するのは避けるべきです。まだ完全に回復していない場合があり、無理をすると再発、再休職のリスクが高まります。

症状が安定しても、しばらくはその状態を維持すると心身に余裕が生まれ、準備状態が整います。

準備状態になるまで復職を焦らず、日常生活で少しずつ活動量を増やすことで、うつ病で失われた体力を回復させます。短時間の散歩や軽い家事から始めるのが良いでしょう。

復職のタイミングは非常に重要です。症状が回復してからしばらくして、心身に余裕ができた段階で復職を検討しましょう。こうすることで、再発のリスクを減らせます。

復職には職場の理解とサポートも不可欠です。上司や同僚に状況を共有し、必要な支援を受けることが大切です。徐々に業務量を増やす、フレックスタイムを利用するなど、柔軟な対応が求められます。

当院ではリワークデイケアを併設し、うつ病の方の社会復帰に努めています。リワークデイケアに通所することで、規則正しい生活リズムを回復し、職場復帰の準備をサポートしています。

専門のスタッフが個々の状況に合わせて、認知行動療法、ストレスコーピング、マインドフルネスなどのプログラムを提供し、無理なく社会復帰ができるよう支援しています。

うつ病からの社会復帰は、症状の回復後すぐに行うのではなく、心身に余裕が生まれるまで待つことが重要です。適切な準備期間を設けることで、再発のリスクを減らし、より安定した社会復帰を実現できます。

当院のリワークデイケアは、その一助として多くの方々の復職を支援しています。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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