双極性障害

2011年8月11日 月曜日image

こんにちは。院長の高橋です。昨日は台風で昼頃は大雨と暴風で大変でした。今日は台風一過。とても暑いです。

さて、今日は「双極性障害」についてです。双極性障害は、これまで躁うつ病と呼ばれていました。双極とは二つの極端な状態のことです。一つは躁状態、もう一つはうつ状態です。双極性障害では、この二つの正反対の状態が一人の人に現れます。

躁状態では、気分が高揚し(いわゆるハイになった状態)、うつ状態では気分が落ち込み、うつ病と見分けがつかなくなります。

気分が高揚すると、抑制がはずれ、自身過剰になり、対人関係でトラブルが起こります。眠りたいという気持ちが乏しくなり、夜も寝ないで仕事をしたり、金銭の浪費がみられるようにもなります。

うつになると何もする気がなくなり、ぐったりとして、仕事や家事が出来なくなります。対人関係は希薄になり、「お金がない。」などと経済的な苦境を訴えるものの、実際にはある程度経済的に満たされている場合が少なくありません。

二つの極端な状態が現れるので、周囲の人はその行動が理解できません。躁状態とうつ状態が半々に現れる人もいますが、躁状態あるいはうつ状態がメインな人もいます。しかし、一番多いのは、時々躁状態が現れ、主にうつ状態がみられる方です。

診断学的には、過去に一度でも躁状態があると、これまでのほとんどがうつ状態でも、双極性障害と診断されます。これはとても重要なことです。一見うつ病に見える場合でも、実は過去に躁状態があって、本当は双極性障害である場合があります。このような患者さんは、 うつ状態が抗うつ薬による治療では治りにくいです。そのような場合は、双極性障害に使用する気分安定薬を服用するとうつが良くなることが多いです。

治りにくいうつ病の中には、本当は双極性障害の場合があります。治りにくいうつ病の方は、過去に躁状態になったことがないか、病歴をもう一度見直すことが有益です。治りにくいうつ病で、過去に躁状態がある場合は、主治医に相談してみて下さい。

 

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