2025年1月20日(月)
睡眠中、脳は感情やストレスを処理し、心のバランスを整えています。そのため、睡眠力が低下すると、脳が感情を調整する能力が弱まり、小さな出来事にも過剰に反応しやすくなります。一方、睡眠力が高い人は、ストレスを適切に処理し、困難な状況でも冷静に対処できます。
睡眠不足は、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させ、不安を強める原因になります。脳は睡眠中に情報の整理や記憶の定着を行うため、十分な睡眠をとることで前向きな思考が促され、日中のパフォーマンスが向上します。
睡眠力を高めるには、日常生活の中で習慣を見直すことが重要です。例えば、深い眠りを得やすい夜10時から2時の間に寝ることが理想的であり、就寝と起床の時間を一定に保つことで体内時計を整えることができます。また、就寝前にスマートフォンやパソコンの使用を控えることで、ブルーライトによる睡眠ホルモンの分泌阻害を防ぐことができます。
リラックスするために温かいお茶やお風呂を利用したり、深呼吸や瞑想を取り入れると、スムーズに眠りにつけます。寝室の環境も重要で、適切な室温と湿度を保つことが快適な眠りにつながります。自分に合った枕やマットレスを選ぶことも効果的です。また、日中に適度な運動を行い、日光を浴びることで体内時計を調整することも重要です。特に午後以降はカフェインやアルコールの摂取を控えるようにしましょう。
自分の睡眠状態を把握するために、アプリやノートを活用するのも一つの方法です。これにより、改善すべきポイントが明確になり、より良い睡眠習慣を築くことができます。睡眠力を高めることで、ストレスに強くなり、ポジティブな感情が芽生えやすくなります。また、集中力や生産性が向上します。
現代の忙しい生活の中では、睡眠を優先することが難しいときもあります。しかし、心と体を守るためには、質の良い睡眠を確保することが欠かせません。少しずつ生活を見直し、睡眠力を高めることで、毎日をより豊かで充実したものにしていきましょう。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏