身体はこころよりも正直?

2016年1月25日

こころの病気というと、うつ、不安、パニック、不眠などの症状を思い浮かべる方が多いと思いますが、身体の症状を伴うことも少なくありません。実際うつ病では、身体の症状は症状全体の半分位あります。こころと身体は表裏一体で、こころの病気になれば、身体の症状が見られることが多いのです。

こころの病気の時に良く見られる身体の症状には、動悸、めまい、息苦しさ、耳鳴り、頭痛などがあります。また、身体のほてり、多汗など自律神経症状もあります。こころの病気に伴う多くの身体症状は軽度です。しかし、症状をもたれた方にはとても大きな苦痛になります。身体の病気を疑い内科などを受診する方も少なくありませんが、血液検査、心電図などあらゆる検査で問題なしとされることが多いです。

こころは自分で何とかコントロールできる時もあります。例えば、「抑圧」。問題があったり、悩みがあっても無理に大丈夫と思い込む。いわゆる悩みにフタをした状態です。これは心理学的に防衛機制と言い、自分のこころを守る行動なのです。ところが、身体の症状はそう簡単にはいきません。こころで抑圧しても、抑圧されたこころのエネルギーが身体の症状として現れてしまいます。身体の症状は意志の力でコントロールすることが難しいのです。

身体の症状はストレスに対する警告信号であることがあります。身体の症状があるときは、その警告信号を謙虚に受け止め、自分の生活を見直すことが必要です。身体はこころよりも正直です。こころも身体もストレスに対して限界があります。身体の警告反応が出た時は、限界に近づいたんだなと考え、仕事をペースダウンするなど背伸びした生活を見直してはいかがでしょうか?

院長  高橋道宏

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