2016年3月21日 晴れ 14°C
暖かくなりもう少しで桜が咲きそうです。
うつ病になると仕事が困難になることがあります。仕事に行かなければならないと思っても、気分が憂うつになったり身体がひどくだるい。心と身体が思い通りにならず、やむなく仕事を休んでしまいます。「毎日が憂うつで何をしても全く楽しくない」「洗顔、着替えなどにもひどく時間がかかる」など中等度以上のうつ病では仕事をすることが困難で、休職と自宅療養が必要になります。
休職と自宅療養を続けると症状は徐々に回復していきますが、回復までには当初想像していたより時間がかかることが多く、ある程度長期に仕事を休むことになることが少なくありません。うつ病になる方は元々勤勉で責任感が強く、仕事をすることに自己の存在価値を見出すことが多いため、仕事を休むことへの罪悪感がとても強いという特徴があります。症状の回復が不十分でも、仕事を休む罪悪感から職場復帰を焦ってしまうのです。
症状の回復が不十分なまま復職すると、復職後に症状が悪化することになってしまいます。休職中は休養しながら自分のペースで過ごしていますが、復職後は職場のペースに合わせて仕事をしなければなりません。そのためには症状が完全に回復していることが必要です。体調の良い日と悪い日があるなど症状が不安定だと職場復帰のペースに合わせて仕事をするのが難しいです。体調の波が安定するまでしっかりと治療してから復職しましょう。
職場復帰の可否は症状が軽くなっているかだけでなく、職場のペースに合わせて安定的に勤務が続けられるようになっているかで判断します。復職する場合は当初は職場に仕事の負担を軽減してもらいながら、徐々に仕事を増やす段階的な復職が望ましいです。復職後にうつが再発しないよう、職場復帰は主治医と相談しながら慎重に進めましょう。急がば回れです。焦らずあわてず進んでいきましょう。
院長 高橋道宏