2018年1月8日 月曜日
注意欠如多動性障害(ADHD)の治療では、薬による治療が集中力やその持続力を改善することが広く知られるようになり、治療を求めて来院する方が大変多くなりました。
ADHDの治療薬としては、ストラテラ、コンサータ、インチュニブの3つの治療薬が国内で承認されています。私はその全ての治療薬を使ってみましたが、どれも大変良い薬だと実感しています。
精神科の薬は、使った方のおよそ3分の2の方に満足のいく効果があれば承認されます。ADHDの治療薬も治験データでは約3分の2の方に満足のいく治療効果が認められています。
私の使用感覚では、一部の薬の有効性は80%位あり、抗うつ薬などよりもはっきりとした効果が現れると思います。
インターネット上では、サプリに関する広告が多く見受けられますが、ことADHDに関しては、サプリが効く根拠は全くありません。
気休めにしかならないサプリを漫然と使うよりも、データや根拠のある国から承認された薬で治療すべきだと思います。
それと同時に、他の精神疾患と同様、薬以外の要素もとても大切です。例えば、ADHDの治療では規則正しい日常生活が不可欠です。ADHDでは、時間管理が苦手な人が多く、日常生活が不規則になりがちだからです。
夜遅くまでスマホでゲームに夢中になり、睡眠不足になっている方が多くいます。これではいくら薬を飲んでも治療効果は限定的なものとなります。
主治医は患者さんにベストな薬をチョイスし、患者さんはきちんとした日常生活を心がける。このように治療が総合的に行われて、初めて問題が解決に向かうのです。
院長 高橋道宏