考え過ぎないようにする練習ー不安神経症の治療のために

不安神経症は、些細なことで不安になり、脳が不安に支配されてしまう病気です。不安に支配されると思考にとらわれが生じ、同じことばかり繰り返し考えます。

同じことばかり考えても、益々不安になるばかりで、結論は出ません。かえって、脳のエネルギーはすり減り、体調は悪化します。

この結果、本来すべき仕事、勉強、家事などが滞るようになり、日常生活に大きな支障を来たします。不安神経症の苦痛は多大なものがあります。

また、脳のエネルギーがすり減る結果、うつ病を引き起こすこともあります。多くのうつ病で強い不安がみられるのは、不安神経症とうつ病が合併するケースが多いためです。

ですから、不安神経症は何としても乗り越えなくてはなりません。不安神経症を克服するためには、ベンゾジアゼピン系抗不安薬を服用するよりも、考え過ぎないようにマインドセットを変えることが大切です。

考え過ぎないようにするとは、結論の出ないことをいつまでも考えないようにすることです。結論の出ないことをいくら考えても、脳のエネルギーがすり減るばかりで。

この結果自律神経は乱れ、動悸、息切れ、めまい、耳鳴り、倦怠感などが発生し、体調は悪くなる一方です。考えないようにすることで、脳のエネルギーがすり減るのを予防することができます。

考え過ぎないようにするためには、結論が出ないことは考えない。むしろ。仕事、勉強、家事など、今やるべきことをを始めるのです。

このような行動を始めると、少しずつ自分の関心が今始めた行動に向かっていきます。すると徐々に思考のとわれから解放されていくのです。

このような思考の関心を転換させる練習を積み重ね、これを習慣化し定着させていきましょう。考え過ぎないようになると、不安神経症は癒されていきます。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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