ADHDの行動変革

2022年3月28日(月)

ADHD(注意欠如多動性障害)は、不注意、多動性・衝動性などの症状がみられる発達障害です。子供の頃から症状があり、成長と共に改善する方が多くおられますが、成人になってからも症状が続く場合があります。

脳内のドパミン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質の異常が症状の発現に関与しており、日本国内でもお薬による治療が積極的に行われるようになりました。

お薬の効果は良好ですが、薬を飲むだけでは改善は不十分です。服薬に加え、行動面での変革が必要です。薬は行動上の変革を起こしやすくしてくれますが、意識的な行動の変革なくして、問題の完全な解決は困難です。

ADHDの方は無意識に上の空で行動し、忘れ物をしたり、ミスをします。これを改善するためには行動は意識的にすることが大切です。

意識的に行うとは、物事を行う時にその行動の目的、時間的制約などを考えながら行うということです。仕事、勉強、家事などにはそれぞれその目的、時間的制約があります。

たとえば物を片付ける時、次に使う時のことまで考えるようにするのです。こうすることで物事を行なう際の優先順位が決められるようになります。

上の空の行動は無防備です。無防備であるため、いつまでも続きます。意識的な行動変革で生活上の問題点を改善することができます。

意識的な行動変革と薬物療法を組み合わせることで、ADHDの行動上の問題が改善していくのです。 

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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