うつ病が全く治っていないと感じたとき

2022年12月26日(月)

うつ病の急性期は発症後2-3ヵ月で回復に向かいます。この時期は精神症状の回復は見られますが、倦怠感などの身体症状の回復は思わしくありません。

気分は楽になったものの、身体は思うように動きません。まだ良くなっていない身体症状にばかり目が行き、全く良くなっていないと感じることさえあります。

抗うつ薬の治験データをでは、1ヵ月後でもそれなりに症状が回復していることがわかります。しかし、この時点では患者さん自身はちっとも良くなっていないと感じています。

ところが、患者さんのご家族など身近な方はある程度回復してきていることに気がついています。

この時期は良くなってきたというご家族など周囲の方の言葉に耳を傾け、悲観的にならないようにしていただければと思います。

うつが少しでも良くなったと感じたときは、かなり良くなっている可能性があります。うつ病は少々改善しただけでは、自分が良くなったとは感じにくいものです。

家族や周りの人は改善に気づきますが、自分が治ると感じた時はかなり治っています。ですから、うつ病の方が少々治ったと感じた時はかなり治っている可能性があるのです。

完全に直っていなくても、ある程度良い方向に向かっていることが理解できれば、安心し、治療に前向きになります。

うつ病が全く治っていないと感じたとき、少し良くなっているとの周囲の言葉に耳を傾け、安心して治療を続けて下さい。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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