ADHDの方に向いた職業は?
2023年1月2日(月)
注意欠如多動性障害(ADHD)は不注意、多動性•衝動性などの症状がみられる発達障害です。最近では、薬物治療が積極的に行われるようになり、症状が大きく改善するようになりました。
一方、不注意などの症状はその方の根本的な部分でもあり、改善はするもののADHDの傾向は残存することがあります。
症状が残存した場合、仕事に及ぼす影響は少なくありません。海外の論文では、ADHDは失業、頻繁な転職に結びつくことが報告されてされています。
私が関わったケースでも、失業にまでは結びつかなくても、職場不適応となるケースは多々あります。ADHDの方に向いた職業はどのようなものらなのでしょうか?
ADHDの方は、不注意でミスが多い、集中が長続きしない、時間に遅れてしまいやすい、
などの特徴があります。一見するとこのような状態を許容する職場はなさそうです。
ところがADHDの方は、ご自分が興味を持つことでは、他の人よりも集中でき、ADHDの弱点が現れないことが多く見られます。ご自分が興味を持つことでは、過集中するくらいに集中できますし、ミスも少ないです。
ですから、ADHDの方の仕事選びでは、自分が本当に興味の持てる仕事をすることが大切です。単に就労条件のみで仕事を選択しても、仕事の内容に興味が持てなければ、ADHDの弱点が表面化する可能が高いと思います。
ADHDの方は、ご自身が本当に興味の持てる仕事をするようにしましょう。ADHDの方は自分の興味の持てることでは、集中できないどころか、むしろ他の人よりもより集中できる特性があります。
本当に興味の持てる仕事に出会えた時、ADHDの方の弱点はむしろプラスに変わっていくのです。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏