2023年2月13日(月)
うつ病は一時期こころの風邪と言われたことがありました。誰でもかかる、治りやすい病気。後遺症は残らず、心配はいらないという意味で使われていました。
まだまだうつ病に対する偏見が多い時代に一定の役割を果たしたといえるでしょう。
一方、長期に及ぶ治療期間、うつ病になったことで味わう精神的苦痛、仕事、勉強、家事などの生活機能が低下することによる不利益ははかりしれません。とても風邪とは比べることができないのです。
早期発見、早期治療によりこの苦痛と不利益をできるだけ少なくすることが求められます。そのためにはうつ病治療の本質をしっかり理解する必要があります。
うつ病は休養とお薬によって治していくとされています。これはうつ病治療の本質を物語っています。
うつ病は自分の力ではどうしようもないことが多いですが、きちんとしたお薬を飲み、休養していれば、自己治癒力が引き出され、自然に良くなっていく病気なのです。
病は気からという精神論に頼ると症状は悪化してしまいます。
うつ病治療の基本は確立しています。うつ病は無理をして乗り越えられるものではなく、休むべき時にはしっかりと休むことが必要です。
自力に頼らず、正しい治療方法で対処していきましょう。
うつ病治療の本質は、適切な方法により自己治癒力を引き出すことにあるのです。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏