焦りや心配事の悪循環を断ち切る: 全般性不安障害への対処法

焦りや心配事の悪循環を断ち切る: 全般性不安障害への対処法

2024年1月29日(月)

全般性不安障害では、絶え間ない漠然とした不安があり、地に足がつかない感覚が続きます。

また、些細なストレスや環境の変化で不安になりやすい傾向があり、慢性的で過度な不安、心配が特徴です。通常の不安や心配を超え、過剰な不安や緊張が絶え間なく続きます。

不安になると冷静さを欠き、焦りが強まり、繰り返し心配事を考えても問題解決に至ることはまれです。

同じことを繰り返し考えることで心配事にとらわれ、これがさらに不安を強める悪循環を生み出します。

全般性不安障害は、神経質な性格やストレス、ショックな出来事、環境の変化が原因で発症します。脳科学的には、病的な不安は扁桃体が過敏になった状態と理解されています。

治療では、不安や心配事にどのように向き合うかを学ぶことが最も重要です。不安は脳内で生まれる非現実的な考えや幻想であることを理解し、日常生活に必要なことを実践し、心配事にとらわれないないよう心がけましょう。

もしもこれらの方法で改善が難しい場合は、抗不安薬や抗うつ薬の処方が考慮されます。これらの薬は神経伝達物質のバランスを整え、症状の緩和を図ります。

これまでは、抗不安薬が処方されることが多かったですが、最近はより効果が持続的で依存性がない抗うつ薬が使われるようになりました。

不安の中枢である扁桃体は、快と不快を判別する部位でもあります。不安障害で扁桃体の機能が不調になると、自分にとって気持ちの良いことも、悪いことも判別できなくなります。このような状態で楽しい日々が送れるはずがありません。

全般性不安障害の治療法は確立されており、適切な治療により克服できます。治らないと絶望せず、適切な治療を受けて充実した毎日を過ごしましょう。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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