波のような回復:うつ病回復の過程

2024年2月12日(月)

うつ病では、気分の落ち込みや意欲の低下などの精神症状とともに、全身倦怠感や胃疲労感などの身体症状が毎日に続きます。

これらの症状は、適切な休養と抗うつ薬の服用により、約3分の2の患者さんが3ヶ月程度で回復します。

ただし、うつ病の回復は一直線で進むものではなく、海の波のように上下します。

実際には、良くなったり悪くなったりしながら、気分の変動を経て回復します。これはまるで、季節の変化で寒さと暖かさが交互に訪れる三寒四温のような回復です。

したがって、回復途中で調子が悪くなっても焦る必要はありません。過度な不安を抱かず、休養と抗うつ薬の服用という治療の基本を継続することが重要です。

自己判断で薬を過剰に摂取したり、まだ良くなっていないのに無理をして活動を始めると、治療が逆戻りしてしまう可能性があります。

うつ病の治療が長引く原因の一つは、順調に回復軌道にあるにもかかわらず、回復中に現れる症状の波に一喜一憂して不安になることです。

思い出してみましょう。発症当初は毎日が苦しかったはずです。良い日と悪い日が出てきたことは回復の兆候です。

過度に不安にならず、休養と抗うつ薬の継続を大切にし、回復を待つことが治療の鍵です。うつ病からの回復力は、誰にでも備わっているのです。

アーカイブ

PAGE TOP