うつ病の再発を予防するための維持療法の重要性

2024年4月1日(月)

うつ病は、日常生活に多大な苦痛を与える精神疾患であり、精神的な苦しみや悲しみ、無気力感などの症状が特徴です。

抗うつ薬は、うつ病の治療において重要な役割を果たし、症状の緩和や回復を支援します。

しかし、症状が安定した後も、抗うつ薬の使用を続けるべきかどうかは多くの患者さんが疑問に思う問題です。

うつ病は再発が多い病気であり、再発を繰り返すと、再発率がさらに高まり、慢性的な持病のようになる可能性があります。

そのため、再発を予防するためには、抗うつ薬による維持療法が重要です。

うつ病の再発を予防するためには、元の生活や職場に復帰した後も、抗うつ薬による治療を継続することが重要です。

症状が改善された後もしばらく抗うつ薬による治療を行うことで、再発率が低下するという研究報告が多数あります。このため、うつ病の再発予防のためには、治療を続けることが効果的です。

国際的な治療ガイドラインによると、初めてうつ病になった患者さんには、およそ半年間は薬を継続して服用する必要があります。

特に、うつ病の再発を何度か経験した患者や、症状が残っている患者さん、また重症のうつ病と診断された患者さんは、1~3年程度の長期にわたって治療を続ける必要があります。

上記の期間が終了後、抗うつ薬を中止するかどうかは、再発予防期間における症状の経過や現在の生活状況、再発リスクの有無などを考慮します。

あなたの生活を熟知する主治医と話し合い、安心、納得ができる最適な選択をすることが重要です。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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