双極性障害——夏に注意したい「睡眠」と気分の波

双極性障害——夏に注意したい「睡眠」と気分の波

2026年7月13日(月)

双極性障害で通院されている患者さんから、この時期になると、このようなお話を伺うことがあります。

「最近、以前より元気になりました」

「睡眠時間が短くても平気になりました」

「やりたいことが次々と浮かんできて、予定が増えています」

一見すると、体調が良くなっているようにも思えます。

しかし、双極性障害では、このような変化が軽躁状態の始まりであることがあります。

夏は日照時間が長くなり、生活リズムも変化しやすい季節です。

季節の変化によって気分の波に影響を受ける方もおられるため、この時期は睡眠や活動量の変化に注意することが大切です。


季節の変化と気分の波

双極性障害は、気分の波が季節の変わり目や環境の変化による影響を受けることがあります。

特に日照時間が長くなる時期は、睡眠や活動のリズムを司る体内時計(概日リズム)に影響を与えることがあり、一部の方では活動性が高まりやすくなります。

軽躁状態になると、

・睡眠時間が短くても平気になる

・次々と予定を入れてしまう

・普段よりおしゃべりになる

・買い物や趣味に時間やお金を使いすぎてしまう

といった変化がみられます。

本人は「調子が良い」と感じているため、病気の症状として認識しにくいことも少なくありません。


睡眠は大切なサイン

双極性障害では、睡眠時間の変化は気分の波を知るための大切なサインです。

「5時間しか寝ていないのに元気」

「疲れを感じない」

こうした状態は、脳が興奮状態に傾いているサインです。

そのまま活動を増やし続けると、脳や身体への負担が少しずつ蓄積し、その反動としてうつ状態へ移行することがあります。

診察室では、お薬による治療とともに、睡眠リズムを整えるアドバイスを大切にしています。

できるだけ毎日同じ時間に起きること。

調子が良いと感じる時ほど、予定を詰め込みすぎないこと。

「まだできる」と感じるところで少し余裕を残すこと。

こうした積み重ねが、気分の波を小さくすることにつながります。

また、ご家族も「元気になって良かった」と安心するだけではなく、睡眠時間が短くなっていないか、活動量が急に増えていないかを見守っていただくことが大切です。


おわりに

「せっかく動けるようになったのに、セーブしなければいけないのはもどかしい」

そう感じる方もおられるでしょう。

しかし、調子が良い時こそ少し立ち止まることは、その後の気分の落ち込みを防ぐために大切です。

睡眠や生活リズムの変化に早めに気づくことで、気分の波を小さくし、安定した毎日につなげていきましょう。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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