子どもが学校に行こうとしない、いわゆる不登校は比較的身近にあります。文部科学省は、不登校の児童生徒を『何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるため年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの』と定義しています。子どもが学校に行かないので、勉強は遅れないのか?将来進学はできるのか?大人になってから社会生活は大丈夫なのか?誰に相談したらよいのか?など深刻に親御さんが悩んでいます。
不登校のお子さんを持つ親御さんから、子どもにどのように接したら良いか?との質問を受けることがあります。不登校の原因は多種多様であり、その原因により対応は異なります。原因として、うつ病、適応障害、不安神経症、学習障害、注意欠如多動性障害(ADHD)などがあります。どのような原因にせよ不登校のお子さんに共通していると考えられる対応の仕方の原則があると思います。私が考える原則は次のようなものです。
不登校のお子さんに対する対応の原則。
1 不登校を叱らない。
2 登校させることを焦らない。
3 登校しない場合でも、自宅では規則的な生活をさせる。勉学だけでなく、家事や散歩などで適度に身体を動かすようにする。
4 子どもの良いところを見つけてほめる。
不登校のお子さんは叱って頑張らせれば登校するというものではありません。自らのちからではどうしようもないので、叱られてもお子さんの心が傷つくだけです。また、このような問題の解決には時間がかかることが多いため、あせりは禁物です。登校しない場合でも、自宅では健康的な生活をさせて下さい。そして、学校に行くことができないとどうしても自信を失ってしまうので、良いところをほめ、自信をつけてあげて下さい。