2016年5月23日 月曜日 晴れ
うつ病、適応障害、不安障害などのこころの病気はストレスや環境の変化がきっかけで発病することが多いです。また、高血圧、糖尿病、胃潰瘍などの身体の病気もストレスが原因で起こります。このようにストレスはこころと身体の病気の原因になりますが、ストレスにどう対処したら良いのでしょうか?ストレスを感じた時にどう過ごしたら良いのでしょうか?このような質問を診察の時に良く受けます。
ストレスを感じた時どうしたら良いか考えることは有益なことです。こうしたら良いという単純な方法があれば、誰でも知りたいと思うでしょう。本屋さんに行くとそのような題名の本もあります。しかし、そのような本に書いてあるHow to?のような簡単で単純な方法はあまり役立ちません。何をどの程度のストレスに感じ、どうしたらリラックスできるかは一人一人違うからです。
こころはストレスの影響を受けても自然に回復しようとする力があります。この「こころの回復力」をレジリエンス(resilience)と言います。ストレスを感じた時には、レジリエンスが十分に機能できるような時間、空間を確保することです。そのためには「自分らしくなれるのはどんな時か?」「どんな時に最もリラックスできるのか?」考えてみると良いでしょう。
ストレスや環境の変化があっても回復できるようになると、こころの病気になりにくくなります。ストレスをバネに成長できるようにもなります。そうなれば、もうストレスは恐くありません。自分自身を回復し、ストレスを生かし成長することができるような時間や空間を見つけるようにしましょう。もしうまく見つけられないようでしたら、診察の時に主治医に相談してみて下さい。
院長 高橋道宏