気分や体調の波の対処の仕方

2016年5月30日 月曜日

こころの病気の治療中には、順調に治療が進んでいるのに、時々心身の調子が悪くなることがあります。それまで調子が良かったのにら急に気分がすぐれなくなったり、眠れなくなったりします。朝起きた時に身体がだるく、面倒くさいことはやる気がなくなります。せっかく治りかけていた病気が悪化したのかと、がっかりし、とても心配になります。

しかし、多くの場合あまり心配はいりません。人間の気分や体調は海の波のようなものです。こころも身体も安定しているようにみえる時でも、気分も体調も常に揺れ動いています。こころの病気では、この感情や体調の波が健康な時よりも大きくなりやすいのです。これは特に目立ったストレスがなくても起こります。ですから、治療中には想定内の出来事なのです。

治療をきちんと受けていれば、病気が根本から悪化することはほとんどありません。ところが、気分や体調の波にあわて不安になると、かえって病気が悪化してしまいます。不安や焦りは悲観的なマイナス思考につながり、生活リズムの乱れを引き起こします。これが病気を更に悪化させます。この結果、「病気は良くなる」という確信も次第に揺らいでいきます。

こころの病気の治療中に症状が多少悪くなっても心配はありません。多くは気分と体調の自然変動が少し大きくなっただけです。病気は必ず良くなります。病気が良くなるにつれ、このような気分と体調の変動は少なくなっていきます。心身の調子が多少悪くなってもあわてず、マイナス思考と生活リズムの乱れに気をつけながら安心して治療を続けていきましょう。

院長 高橋 道宏

アーカイブ

PAGE TOP