うつ病症状の自然変動

2018年7月1日 月曜日

ずっと調子が良かったのに、最近どうもスッキリしない。一応眠れるけど、ぐっすり寝た気がしない。夢見が悪いし、朝は早く目覚めてしまう。日中ちょっと眠くなる。うつ病の治療中に、こんな風にちょっと調子を崩したことはありませんか?

このような症状の多くは軽度で、日常生活はほとんど影響を受けません。ほぼ普通通りに生活できます。しかし、うつ病の方はこれをとても気にします。それは症状の変動が再発を連想させるからです。

深いうつにはならなくても、ちょっと調子が悪くなっただけで、仕事や家事、勉強などが思い通りに進まなくなるのでは?と不安になります。

どうしてこうなったんだろう?ずっとまあまあだったのに。最近は特に大きな問題はなく、普通に生活していた。調子を崩す原因が思い浮かばない。もしかしたら、うつ病が再発してしまったのだろうか?こう考えると居ても立っても居られなくなります。

うつ病では、安定していてもちょっと調子を崩すことがあります。これは再発とは違います。うつ病は感情の病気です。感情は海の波のように、絶えず揺れ動いています。ある程度うつ病が良くなっても、時々感情の波が激しくなり体調が悪化することがあります。

ストレスなどはっきりとした原因がなくても体調が悪化するのは、このような自然変動による症状の波が原因です。そのような症状の波は特に原因がなくても起きるのです。

このような症状の自然変動に対しては、慌てず落ち着いて対処することが大切です。うつ病が再発したわけではないのです。慌てると日常生活が後退し、かえって症状が悪化します。

症状の自然変動がある時は、決して無理をしないようにして下さい。多くの場合、治療内容を変更しなくても症状は自然に落ち着いていきます。いずれは症状の自然変動はなくなります。安心して治療を続けましょう。

院長  高橋道宏

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