ADHDにみられる行動上の問題点

2018年11月26日 月曜日

注意欠陥多動性障害(ADHD)では、不注意、多動性・衝動性などの症状に加え、時間管理が苦手である、計画性が乏しいなどの行動上の問題点があります。

時間管理、計画性は未発達のスキルであり、お薬だけで解決できるものではなく、改善するためのトレーニングが欠かせません(2018年11月19日のブログ「ADHDにみられる未発達のスキル」参照)。

時間管理が苦手である、計画性が乏しいなどの背景には、極端に自分の興味、関心に心を奪われてしまい、他のことに無関心になりやすい性格傾向と関係があります。

自分の興味、関心に行動が極端に左右されやすい傾向は、自閉症スペクトラム障害など他の発達障害でも認められる傾向です。

このような傾向を克服するためには、自分がやりたいことを優先するのではなく、自分がなすべきことを優先するように行動基準を変える必要があります。やりたいこと優先ではなく、やるべきこと優先に変えていくのです。

不安障害やうつ病などの治療では、感情優位ではなく、物事本位に行動基準を変えていく必要がありますが、ADHDの行動基準を変えるのもこれと似ています。

時間管理が苦手で計画性が乏しいと、社会人になった時、職業上大きなマイナスとなってしまいます。計画性がないのは生まれつきだから、もう治らないとあきらめてしまっていませんか?

このような傾向は、治療で必ず克服することが出来きます。あきらめず、ぜひ主治医に相談して欲しいと思います。

院長 高橋道宏

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