2019年3月18日 月曜日
ADHD (注意欠陥多動性障害)の方は、優先順位をつけて物事を実行することが苦手です。優先順位の高い事は、今すぐにやらなければならないことが多く、やりたいこと、やりやすいことを実行するより多くのエネルギーを必要とします。
このため本当はすぐにやらなければならないことが面倒くさくなり、後回しにしてしまうのです。特にADHDの方は、自分の興味のあることを優先する傾向が強いため、優先順位をつけることが苦手です。
私たちの日常生活では、面倒くさいことを真っ先にやるべきである場面が多くあります。面倒くさいことでも、すぐにやらなければならないのです。
そのような状況で優先順位をつけて行動するということは、自分の興味あること、やりたいことをするのではなく、今やらなければならないことを優先することに他なりません。ではどうしたら、優先順位をつけて行動できるようになるのでしょうか?
以前このブログ(2018年6月25日)でご紹介した「発達障害凸凹活用マニアル」には、実際に当事者の方々の工夫がわかりやすく書かれています。このような当事者目線の工夫は、実際的で大変役立ちます。
詳しくはマニュアルを直接お読みいただきたいのですが、例えば「スケジュールを大きく書き、見やすいところに貼る」という工夫があります。ADHDの方は視覚から入る情報を処理するのは得意なので、このような方法はとても役立つと思います。
単にお薬を飲むだけでなく、優先順位をつけて行動する癖を普段からつけていきましょう。お薬を飲むことは、自分で工夫するための下地を作ることにつながります。お薬で症状が軽くなると、工夫しながら前に進んで行くことができるようになるのです。
優先順位をつけて行動するのは、決してやさしいことではありません。しかし、試行錯誤で学習しながら進んで行けば、必ず優先順位をつけて行動することができるようになるでしょう。数多くのADHDの方がすでに成功しているからです。
院長 高橋道宏