大人になって初めて気づくADHD

大人になって初めて気づくADHD

2020年6月8日(月)

注意欠如多動性障害(ADHD)は子どもの時から症状があり、大人になってから発病する病気ではありません。しかし、大人になってから初めてADHD に気づく方が多くおられます。なぜ大人になるまでADHDに気づかないのでしょうか?

その理由の一つは、今の大人が子どもの頃はADHDに関する情報が少なかったことにあります。最近になり初めてADHDの情報に触れ、ADHDを疑うようになったのです。

また、学生時代はミスなどがあっても何とか努力でカバーしてきたため、ADHDの症状に気がつかなかったが、社会人になり複数の仕事を並行して行うことができないことに気づき、ADHDではないかと疑うようになった方もおらます。

実社会は学生時代よりも、計画性、段取りの良さ、臨機応変さなど要求される事が異なり、ここで初めて自分の限界に気づく事があります。この中には、高学歴でこれまで学業で成果をあげてこられた方も少なくありません。

ADHDでは前頭前野と呼ばれる脳の部分の働きが低下していると言われています。この部分は実行機能という計画性、複数の仕事の同時並行処理、要点を絞り込む能力などに関わっています。社会に出てからより重要度が増すこれらの能力に限界を感じるなら、一度受診を考えて良いかも知れません。

院長 高橋道宏

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