2021年6月28日(月)
抗不安薬は、長い間不安障害の治療に使用されてきました。抗不安薬は服薬すると30-40分で効果が現れ、即座に不安が軽減することから、効果が実感しやすいお薬ということができます。
しかし効果が実感しやすい分、薬に依存してしまいやすいという欠点もあります。服用した時はとても良く効きますが、3-4時間して薬が切れるとまたすぐに元の状態に戻ってしまいます。このような効果のオン、オフの違いの大きさが依存につながっています。
抗不安薬は、風邪の治療で言えば解熱剤のようなものです。飲めばすぐ効きますが、薬の効果が切れると症状がすぐにぶり返してきます。ただ単に症状を抑えているだけで、根本的な治療ではありません。
週に数回程度の使用頻度であるなら、抗不安薬を使うのも仕方ありませんが、毎日服用するようであれば、別の治療法を考えた方が良いと思います。
その際に用いられるのはSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)です。SSRIを服用すると2-3週間で効果が出始め、半年位すると不安症状が半分ぐらいに減っていきます。使えば使うほど効果が出てきて長期に服用しても依存性の心配はありません。
また一定期間を服用してから中止した後症状が再発しない場合は服薬を中止にすることができ、不安障害の根本的な治療法として注目されています。
院長 高橋道宏