2021年7月26日(月)
パニック障害は、突然の強い動悸、過呼吸などの症状が起きることで強い不安にみまわれることから始まります。
症状が激しいため、救急病院で診察、検査を受ける方も少なくありませんが、異常はないと言われます。
しかし、繰り返しパニック発作にみまわれ、また発作が起こるのではないかといつも不安になります(予期不安)。
パニック障害になると、いつパニック発作が起きるかわからないため、電車などの乗りものが怖くなります。
また、乗り物だけでなく、美容院、歯科治療など、狭い場所、長時間動けなくなる場所を避けるようになり、行動範囲が狭くなっていきます。
パニック障害の治療は、まずパニック発作を予防することから始まります。一度パニック発作が起きてしまうと、当分の間不安が頭から離れなくなるからです。
パニック発作が再び起きるのではないかといつも心配するようになり、予期不安のため日常生活に大きな制限が加わるようになってしまうからです。
予期不安の原因となるパニック発作を予防するために発作を予防するお薬の服用が大切です。
このためには脳内でセロトニンの働きを強める選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を服用すると効果的です。
抗不安薬と異なりSSRIには依存性がなく、長期間服用しても安心です。
SSRIを服用しながら不安の程度と頻度を減らし、予期不安から解放されることが治療の出発点なのです。
院長 高橋道宏