復職のための通勤訓練

2022年10月24日(月)

うつ病、適応障害などで休職していても、3ヶ月程治療すれば、自宅では特に問題なく過ごすことができるようになります。しかし、復職すると調子を崩し、再休職となることがあります。

自宅と職場ではストレス度合いが異なります。自宅で安定していても、職場で問題なく仕事ができるとは限りません。

休職と復職を繰り返していると、だんだん職場の敷居が高くなつてしまいます。再休職を防ぐためにはどのような対策をとったら良いのでしょうか?

そのために是非お勧めしたいのは、通勤訓練です。方法は至ってシンプルです。

職場に行くのと同じ時間に自宅を出発します。服装も出勤に合わせたものとします。職場の最寄りの駅まで行き、職場までは行かずに自宅に戻ります。

体力の回復が不十分だと通勤訓練をしただけでとても疲れます。もしとても疲れてしまうようなら、通勤訓練をしても疲労を感じなくなるまで、通勤訓練を続けましょう。

復職すれば、通勤後8時間程度の仕事が待っています。通勤で疲れてしまうようでは、まだエネルギーが不足してるのです。

通勤訓練は単に身体の状態を確認するだけではなく、復職した時の心理的負荷を予測するためにも行われます。

通勤訓練をすることで重苦しい気持ちになるのなら、職場に対してマイナスの気持ちが強いと考えられます。

通勤訓練で、職場が近づくにつれ気が重くなる方は一定数おられます。気持ちの上で職場に耐えられかどうかも考えて復職を考えましょう。

このように通勤訓練はシンプルで非常に有用な復職のための手段です。復職後の再休職を防ぐために、ぜひ実行してみることをお勧めします。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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