不安障害を根本的に治すために必要なこと

2022年10月31日(月)

不安障害は、症状の現れ方により、全般性不安障害、パニック障害、強迫性障害、社交不安症などに分類されます。

症状に違いはあっても、不安は過度の不安であり、現実離れしています。現実離れした不安が日常生活における行動の停滞を引き起こし、不安がさらに深まります。

不安障害の治療では、薬物療法が行われますが、薬物療法では症状は一時的に改善するものの、根治するとは言い難いです。

薬をやめれば、また不安になります。また、ベンゾジアゼピン系抗不安薬には依存性があります。

では、どのようにしたら根本的に不安から解放されるのでしょうか?

不安障害を根本的に治療するためには、不安であっても、必要な行動はすることが大切です。

どうして不安になるのか?かなどと頭の中で考えていても迷走するばかりで、治療の進展は望めません。

「不安だから会社や学校に行けない」などと逃避せず、まず必要な行動をし、自分が不安に感じていたことが杞憂に過ぎなかったことを実感しましょう。

不安になる必要がなかったということを体で理解する。このような体験を積み重ねることで、不安から解放されていきます。

不安(恐怖)は、避けていてはいつまでたっても克服できないので、症状が軽快したら、敢えて不安場面に入って行って、そこで耐える練習が必要である(曝露療法。逃げずに耐えていると、時間とともに不安は自然に消えていく)。(パニック障害の治療ガイドラインより引用)

薬物療法は、このような行動をしやすくするために補助的に使われているのです。

不安障害は、薬を飲み続けるだけで、完治するものではありません。

気分や感情にとらわれず、今自分がやるべき事を実行していく、目的本意の姿勢を貫きましょう。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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