不安への処方箋ー敢えて近視眼的になる

2014年7月14日 月曜日

こんにちは。院長の高橋です。芦屋では、昨日から小雨が続いています。湿気が強く過ごしにくい毎日ですね。

今日は不安に打ち勝つ心の持ち方、「敢えて近視眼的になる」についてです。

私達は、子供の頃から今のことばかり考えずに、将来を考える先見性が大切だと教えられ、出来るだけ将来のことを考えて計画的に過ごすように促されます。また、他者との相互関係、他者から将来受けるであろう様々な影響を予測し、先見性を持って行動する、「先を読む。」ことが大切だとも教えられます。

時の流れは止めることができません。望むと望まずとも、私達は人生の次のステージに進んで行きます。学生時代から就職、結婚、子育て、退職、老化、死。時間的には、現在と近未来は連続しており、人生の次のステージでは、現在の生き方、行動の結果の影響を受けざるを得ません。ですから、先のことを考え計画的に行動するのは、合目的的なことです。

しかし、先のことを考えるとかえってうまくいかない時があります。それは「不安が強い時」です。不安が強い時は、先々のことを考え過ぎ、思考が空回りしてしまいます。特徴的なのは、先々のことをマイナスに考えてしまうことです。将来はマイナスのものにしか見えず、マイナスにマイナスを積み上げ、悲観的になり、不安が強くなるばかりです。将来のことを考えて、今日を建設的に生きることも、気分が落ち着くこともありません。心の病気の時は、このようなことが起こります。

そんな時は、先々のことを考えるのは止めて、今日の事だけを考えていると良いのです。メンタルに強い人の特徴は、マイナスのことを考え始めたり、マイナス思考のループにはまりそうになった時に、「これ以上考えても仕方がない。」と考え、潔く考えるのをやめる点です。メンタルに強い人は、思考が空回りしそうになった時、必要以上に深く考えずにマイナス思考のループから逃れていきます。

不安が強い時は、先々のことを考えないようにしましょう。そのためには、「今日のことだけを考える。」のも一つの方法です。しかも、今日のことを具体的に考えるのです。「何時に食事をして」、「何時に仕事(家事)をして」、「何時に家に帰り」、「何時に寝る」といった具合に。それ以上のことは考えるのを止めましょう。明日のことは明日になってから考えましょう。今日これから残された時間で何をしますか?今日のことだけを考え、「敢えて近視眼的になる」ことも心の健康を守るためには戦略的な行動なのです。

 

診察室の花

白のトルコ桔梗

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