パニック障害の治療が治りにくいときに理解すべきこと

パニック障害の治療が治りにくいときに理解すべきこと

2023年5月8日(月)

パニック障害では、抗うつ薬、ベンゾジアゼピンなどの薬物療法で治療を開始しますが、薬物療法だけでは症状が十分に改善しない方もおられます。

このような場合、どのようにしたら治療が膠着した状況を突破することができるのでしょうか?

パニック発作は20-30分程度で治ります。1時間、2時間とずっと続くわけではありません。救急車を呼んでも、病院に到着する頃には症状から回復しています。

パニック発作は長時間続かないことを思い出すだけで不安は軽くなり、症状は不思議と治っていきます。

パニック症状が治りにくいのは、症状が起きたらどうなるのかわからないという漠然とした不安にあります。

症状は長時間続くわけではないこと、ベンゾジアゼピン系抗不安薬を服用すれば症状はすみやかに回復すること、動悸や過呼吸などの身体症状があっても命に関わるものではないことなどを理解すると、不安は大きく軽減します。

パニック障害の治療では、パニック発作について正しい理解をするだけで、不安が大きく軽減し、症状は改善していきます。

これは薬を飲むことと同等の治療効果があると思います。

パニック障害が治りにくいときは、パニック発作について、もう一度正しく理解することが大切です。

理解を深めるとパニック発作は怖くないことがわかってきます。

「パニック発作なんて大したことない」と心底思えるようになる頃には、漫然とした不安は払拭され、パニック障害はほとんど治っているのです。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

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