予期不安の解消:パニック発作を防ぐ第一歩

2023年11月27日(月)

パニック障害になると、突然予兆なくめまいや動悸、呼吸困難などの自律神経症状とともに「パニック発作」を経験します。

「パニック発作」とは理由もなく激しい不安が襲い、心拍数が上がり、呼吸が苦しくなる症状のことです。この症状が繰り返されると「パニック障害」と呼ばれます。

発作の恐怖体験から「また発作が起きたらどうしよう」との予期不安を感じ、日常生活において電車や人混みを避けたり、頼れる人がいない状況を回避したり、逃げられない場所を避けるなど生活範囲が制限されます。

医療機関での受診では特に身体的な異常が確認されません。

パニック症は約100人に1人の割合で発生し、抗うつ薬や抗不安薬が効果的ことが報告されています。

パニック障害を治療するには、まずパニック発作をできるだけ予防することが重要です。

一度でも発作が起きると、その恐怖体験が残り、予期不安が生じやすくなります。予期不安は行動を制限し、日常生活に支障をきたす根本的な原因となります。

発作を避ける期間をできるだけ長く維持し、心を安定させることが必要です。

不安発作を治療するためには、予防のための薬と発作発生時の即効性のある薬が必要です。

予防のための薬(SSRI)は、依存性がなく、毎日服用することで発作の可能性を大幅に低減できます。

発作発生時に用いるお薬(ベンゾジアゼピン系抗不安薬)は即効性があり、これを服用すれば救急車を呼ぶ必要はありません。

だだし、ベンゾジアゼピン系抗不安薬は依存性があるため、過度に使用しないように注意する必要があります。

一度でも発作が起きると、恐怖心が心に残り、その結果予期不安によって行動が制限されてしまいます。

不安発作をできるだけ予防することが治療の第一歩となります。

高橋心療クリニック
院長 高橋道宏

アーカイブ

PAGE TOP