2024年4月29日(月)
うつ病は気づかないうちに発病しています。
うつ病発病の過程は身近な人でもなかなか気づかないことが多く、急に出勤できなくなるなどの深刻な事態になり、慌てることになります。
では、なぜうつ病は気づかないうちに発病するのでしょうか?
うつ病は身体症状が多く、しばしば内科疾患などと混同されやすいです。
例えば、疲れやすい、頭痛や肩こり、動悸、胃の不快感、便秘や下痢、めまいなどは、うつ病の初期段階でみられますが、身体疾患を疑い、うつ病だとは思わないのです。
そのため、気づかないうちにうつ病を発病してしまう人が多いのです。
また、うつ病は徐々に進行していきます。初期段階では、症状が軽度で、日常生活に大きな影響はありません。
しかし、時間の経過とともに症状が徐々に悪化し、その影響がよりはっきりとしてきます。うつ病が徐々に発病していることに気づかず、発見が遅れるのです。
また、うつ病は精神的な問題であるため、周囲の人が気づきにくいのです。
こころの問題はプライベートなことであり、本人が症状を話さず一人で悩んでいる場合は、周囲の人が気づくことがありません。その結果、うつ病に苦しむ人は一人で悩み、発病の発見が遅れてしまいます。
うつ病は気づかないうちに発病することが多いため、気づいたら症状がかなり進んでいます。症状があまり進んでしまうと、その後の治療を受ける際の障壁となります。
早期に症状に気づき、適切な治療を受けることが重要です。身近な人が変化に気づくことが、うつ病の早期発見に役立ちます。
うつ病は治療により必ず回復する病気であり、早期発見、早期治療が大切です。次のような症状に注意しましょう。
* 睡眠障害:寝つきが悪い、途中で目が覚める
* 慢性疲労:だるい、身体が重い
* 微熱:熱っぽさが続いている
* 身体の痛み:原因不明の頭痛や腹痛がある
* 気分の落ち込み:憂鬱で気が晴れない
* 欲求の減退:食欲などが著しく減った
* 意欲の低下:何もする気になれない
自分自身や周囲の人がうつ病の症状に気づいた場合は、早めに受診することをお勧めします。
早期に気づき、適切な対処をすることで、その影響を最小限に抑えることができます。身近な人の支えや専門家の助言を受けながら、心の健康を大切にしましょう。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏