うつ病と再発

2018年5月20日 月曜日

うつ病は心の病気の中ではかなり頻度の高い病気です。有病率は3%から16%と言われ、心の病気の中では目にすることが多い病気です。私たちの職場や家族、また友人の中でうつ病になる方は少なくありません。

一般にはうつ病が治りにくいとも言われていますが、実際の治療成績はそう悪いものではありません。初回治療では、少なくても3分の2の患者さんはほぼ病前の状態に戻っています。

しかしながら、うつ病が慢性化してなかなかよくならないケースもあります。そのようなケースはかなり長年にわたり治療を受けています。病気が良くなったり悪くなったり、なかなか安定して仕事をすることができません。

そのようなケースをみるとうつ病が治りにくいように思えるかもしれません。どのようなケースが慢性化するのでしょうか。

慢性化するケースの1つとして、病気が良くなったり悪くなったり再発を繰り返す場合があります。うつ病の約50%は再発します。1回再発すると次にまた再発する確率は75%位になります。

したがって再発を繰り返せば繰り返すほど、再発する可能性が高まることになります。再発を繰り返すと持病のようになっていきます。

うつ病は再発の多い病気です。再発しないためには、初回治療が大切です。初回治療をしっかりと受け、再発しないようにしましょう。安易に自己判断で薬を中断してはいけません。

うつ病を、慢性化させず、1回で病気を治しましょう。またすでに慢性化させてしまった場合は、これ以上再発を繰り返さないようにしっかりと治療を続けましょう。

院長 高橋道宏

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