2018年6月11日 月曜日
パニック障害は、動悸、過呼吸、発汗、震えなどの症状が突然現れ、大きな不安と恐怖に襲われる(パニック発作)病気です。パニック発作が起きた時には、生命が危険にさらされていると感じ、救急車を呼ぶこともあります。
しかし、救急車で病院に到着した時は症状が既に治まっています。検査をしても何の異常も見つからず、心療内科、精神科を受診するようにアドバイスされます。
生命の危険にさらされていると感じる程症状が深刻なのですが、検査では何の異常もありません。いったいどうなっているのか?と理解に苦しみます。
心療内科、精神科などを受診し、初めてパニック障害であることを告げられ、やっと起きたことの本質を理解するようになります。
パニック障害の治療では、不安を抑えるお薬が処方され、それによって症状は起きにくくなりますが、「また同じような発作が起きるのではないか?」と不安になるようになります。
これを予期不安と言います。予期不安が強くと薬が手放せなくなり、ビクビクしながら常に薬に依存する生活となります。時には予期不安から処方された以上に薬を飲んでしまい、日中の眠気、ふらつきに苦しむこともあります。
パニック障害では、予期不安を乗り越えることが大切です。予期不安をうまく乗り越えることができれば、必要な薬の量が減ります。予期不安は先のことを考え過ぎて不安になっている状態です。
予期不安を乗り越えるためには、過度に先のことを考えないようにしましょう。明日のことは明日考えることにし、今日やるべき事だけを具体的に考え、一つ一つ実行していくのです。
すると、少しずつ予期不安から解放されていく自分自身に気づくようになります。
院長 高橋道宏