2024年1月8日(月)
うつ病は再発が頻繁で、初めて発症した場合でも症状から回復した後、約60%が再発すると報告されています。
再発が繰り返されると、2回目の発症では約70%、3回目では90%と再発率が上昇します。
再発が頻繁に起きると、うつ病は持病のようになり、慢性化し、治療の終結が見えにくくなります。
この慢性化が進むと、うつ病がもう治らないのではないかと悲観的になり、回復への道が遠ざかっていきます。
従って、うつ病を慢性化させないためには、再発を予防することが極めて重要です。
うつ病の再発を防ぐためには、まず、健康的な生活習慣を確立することが大切です。栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠、そして適度な運動は身体的な健康と心の安定に寄与します。
これに加え、病前の状態に回復してからも、抗うつ薬の服薬を初発の方では少なくとも6ヶ月間、再発の方では2年間以上は継続することが勧められています(日本うつ病学会治療ガイドライン)。
うつ病が回復しても、継続的なケアと積極的なアプローチにより、うつ病の再発リスクを最小限に抑えることが可能です。
再発を防ぐことで、うつ病になられた方はより良い精神的な健康を維持し、持病化を避けることができます。
初発での回復があっても、安心してはいけません。再発予防と慢性化を回避するためには、うつ病になられた方が積極的に再発予防に取り組むことが重要です。
高橋心療クリニック
院長 高橋道宏