うつ病における休養の意義

2016年12月26日 月曜日

うつ病になると元気がなくなり、思ったように仕事や家事、育児などができなくなります。本当は仕事や家事、育児など自分の役割をしっかり果たしたいのに、病気のために果たせなくなるのです。会社員なら仕事を休みがちになります。主治医から休職を勧められます。無理に仕事をしながらではうつ病が治りにくいからです。うつ病の治療では、お薬による治療とともに休養が回復に大きく貢献します。休養は薬を飲むことと同じ位に大切なことなのです。

ですから、いくらお薬を飲んでも、十分に休養しなければうつ病は治りにくくなります。お薬の効きを良くするために、休養はとても役立ちます。しかし、うつ病の人は元々勤勉な方が多く、休養するのがとても苦手です。休むことに慣れておらず、休養することが苦痛なのです。主治医の指示により休んでいても、休んでいるうちに、休養は自分で考えて決めたように錯覚してしまい、何だかサボっているように感じてしまうのです。

特にうつ病がある程度良くなって来た頃に、サボっているように感じることが多くなります。ある程度治ってくると、少しは動けるようになります。すると本当は動けるのに休んでいると感じてしまうのです。サボっていると感じると、休養してもリラックスできなくなります。次第に自分を責めるようになります。主治医の指示により休養しているのに、自分で休養することを決めたかのように錯覚し、自分を責め、うつが悪化してしまうのです。

うつ病が原因で仕事や家事ができないのは、サボっているからでありません。うつ病では仕事や家事、育児をしたくてもできない状態にあるのです。本当はやりたくても、思うようにできない苦しみがあるのです。うつ病になられた方は、休養の意義を理解し、自分を責めないようにしましょう。ご家族や職場の方も、時には主治医のところに足を運んでいただき、休養の意義を良く理解していただきたいと思います。

院長 高橋道宏

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